ユーコン川より昇る朝日は空を神々しく染めていました。
 
 
今回、一度ツアーで訪れた『ビーバー村』を、
より深く知りたいと思い、2日間滞在してきました。
 
ビーバー村はおよそ100年前、絶滅の恐れのあった
北極海沿岸に住むエスキモーを救済する為
安田恭輔という日本人が彼らと移住し
築いた村です。
 
この村では今でもインディアンの伝統が生きています。
狩猟にはATVという小形の四輪駆動車に乗って出掛けるのですが、
雪の上に残されたクマやオオカミ、ムースなどの
足跡をたどって森の中へと入っていきます。
11歳の少年がこともなく鳥を撃ち落とす姿は衝撃的でした。
 
ここでは村の伝統を大人が子供に
伝える場面がよく見受けられました。
狩りや、隣町へ用事で出かける時は、学校の授業より優先されます。
また現地の言葉を普及させる為に、
学校以外にも、インターネットを通じて行われます。
 
私がお世話になった家庭では今、一か月前に狩った
ムースの毛皮が干されています。

 
これは革製品として売りに出されるものですが、
乾くまでは、その匂いは強烈です。
学校の野外活動の一環として見学に来た子供たちは
その匂いにたまらず顔をそむけますが、
大人たちが「これが伝統だ」と諭すのです。
 

 この村にはアイさんという、インディアンの暮らしに
憧れやってきた日本人女性が住んでいます。
インディアンの夫を持ち、家事、狩猟、裁縫など幅広くこなし、
この村にしっかり根付いています。
 
滞在中、アイさんのように自分はここで
暮らすという選択ができるだろうかと
何度も考えることがありました。
いくら自然や文化が好きであったとしても
その選択はとても難しい。
好きでここに飛び込んだとはいえ
アイさんの覚悟は計り知れません。
 
皆さんも是非、チナ温泉を訪れた際は
今なお息づくインディアンの伝統に触れに、
またそこに暮らすアイさんに会いに
ビーバー村を訪れてみてください。

                                                               S-Life


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