そして南へ

 
バローより一旦フェアバンクスへ戻り、今度は南へと車を走らせました。
目的地は釣りのメッカであるキーナイとホーマーです。
 
 
この時期、キーナイの町にはサーモンの遡上に合わせて、
多くの釣り人がこの町を訪れます。
釣竿に餌はつけません。サーモンは本能からなのでしょう、
釣り針に喰らいつき、釣り上げられるのです。
 
 
釣った魚はその場でさばかれます。
アメリカ人のサーモンのさばき方は豪快です。
腹身だけをサッとさばき、頭もイクラも川に投げ捨てるのです。
かま焼きやいくら丼の美味しさを知っている日本人には
到底考えられないことですね。
 
 (水鳥が餌を目当てに、さばく人の周りを飛び回っています)
 
今年はサーモンの遡上が例年になく遅いと言います。
『明日の夜、潮の流れに乗ってサーモンが遡上してくる』という噂がたったり、
そんな期待を胸に、その日も多くの人がせっせと釣糸を投げ入れていました。
 
 (高台から見たホーマーの町)
 
続いて訪れたホーマーの町は、とても風光明媚なところでした。
目の前には海と山が広がり、山には今にも落ちてきそうな氷河が見えます。
その景色を高台から見下ろすように立つ家々は、
ひとつとして同じ形がなく、ユニークな作りで目を惹きました。
 

岬には、伝統工芸品の店が立ち並び、
カレイが漁師の手でさばかれていました。


ここに並ぶ店の商品は、個性的なハンドメイドが多く、
実に目を楽しませてくれます。


 
(岬からは、ゴロゴロ水面を転がるラッコが見られました)
 
帰路の途中、立ち寄ったアンカレッジの「歴史芸術博物館」は、
 素晴らしい絵画や、科学を楽しんで学べるコーナーの充実ぶりもさることながら、
アラスカの古代から現代までの流れを、実に多くの展示を基に
解説した内容は、これまで訪れたアラスカのどのビジターセンターや
博物館を圧倒していました。
是非お勧めしたい場所です。

 (博物館の展示の様子)
 

 最後に

2週間に及ぶ休暇を通し、アラスカを南北へ走り
気が遠くなるようなアラスカの懐の深さを体感しました。
 
これほど大きな自然の中で活動するのに、
何をためらうことがあるでしょう。
アラスカには自分を解放するにあまりある環境があります。
 
間もなく、私はチナ温泉を卒業します。
この地で1年間働けたご縁に、そしてこのブログを通し、
自分の体験を皆さんに発信できたご縁に、心から感謝しています。
ありがとうございました。
 
                                                                     S-Life
 
 

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