アラスカ大陸縦断弾丸旅行 第2章

チナ温泉は今週に入ってから毎日雪が降っております。気温ももはや氷点下を上回ることが無くなりました。


そして、先日出勤するために寮を出ると・・・・・


入口になんと、雪だるまが!!(こちらではスノーマンと言い、日本と違い3頭身です)
当チナ温泉のアメリカ人従業員のほとんどがアラスカ州出身ではないので、人によっては雪自体が珍しく思うようで、大きくなっても一生懸命スノーマンづくりをしたようですね。


それでは前回の続き。

ようやく空港を出発することができたわけですが、ここで一つ大きな問題がありました。

『ホテルの最終チェックイン受付時間 AM 2:00』

19:50に空港を出発して、2:00までに着くために残されている時間は6時間10分。地図検索で算出された所要時間が6時間。途中トイレに行ったりガソリンを入れたりの休憩をはさむことを考えると、ほとんど余裕がありません。
「もし電話して事情を説明してもダメなら、今夜は車中泊だなぁ」なんて考えながら空港をあとにしました。

今回車を走らせるGeorge Parks ハイウェイは、実は1度だけ途中までは車で行ったことがあったので、ガソリンスタンドの場所はある程度わかっていたのですが、わかっている場所だけでも1時間止まらずに走ったら次のガソリンスタンドが見えてくる程度の頻度です。(80km~100kmの距離に一か所ある程度です)
よく海外でレンタカーを利用する際の注意点として『日本と違ってあちこちにガソリンスタンドがあるわけではないので、早めの給油を』と書いてあることが多いですが、アラスカはまさにその通り。ここアラスカではよくアラスカ住民もガス欠で動けなくなることもしばしば。場所によって(というよりもほとんどの場所)では携帯電話も通じないので、他の車が通りかかるのを待たなくてはいけなくなります。

ガソリンと共に注意しなくてはいけないのが『トイレと売店』です。
ガソリンスタンドにさえたどり着ければ、どちらも併設しているので問題ないのですが(深夜はトイレと売店は閉まっている可能性はあります)、アラスカにはコンビニがありません。また日本の高速道路と違ってSAやPAはございません!! 高速道路と名はついていますが、アンカレッジ・フェアバンクス周辺以外はどう見ても日本の国道にしか見えません!!(片側1車線です)

トイレに関しては、道路脇に頻繁に休憩ができる駐車スペースや、景観の良いところにも記念撮影等で立ち寄れるように駐車スペースがあり、どちらもほとんどの箇所にトイレが併設されています。
但し、このような場所のトイレは汲み取り式でトイレットペーパーは基本的に備え付けてありますが、手を洗う場所はありません。電気もついてません!! また夏以外はカギがかけられて使用不可になってしまうのでご注意ください。(場所によって鍵をかけるタイミングが異なるようです)
「男なんだから、その辺ですれば問題ないんじゃないか?」と思われるでしょうが、実際に真っ暗な中、どこから野生動物が出てくるかわからないようなところで用を足すのはかなり勇気が必要ですよ!!


話しを元に戻しますが、空港を出発しておよそ1時間ほど走ると周りはすっかり真っ暗になってしまいました。先程もお話ししましたが、高速道路とは名ばかりの為、街灯は道中ほとんどありません。対向車などの車よりも気をつけなくてはいけないのが『野生動物』です。
アラスカを車で走っているとよく見かけるのが、ウサギ・ムース・リス・ライチョウ(日本では天然記念物)・キツネなどです。ムースは馬や熊よりも大きいものが多いので、接触してしまうと最悪死亡事故になってしまいます。ウサギなどの小動物は心苦しいですが、急に飛び出してきたとしても避けずにそのまま直進した方が良いと言われています。どこにでも生息しているので至る所から車に向かって飛び出してきます(笑)
自分も実際、ガソリンスタンドを出てすぐウサギが飛び出してきて轢いてしまいました…。

野生動物に気をつけながら走り続けていると、デナリ国立公園付近から強い雨が降り始め、2時間ほど雨の中を走りようやく雨が収まったと思ったら今度は霧が出始め、更には霧と一緒に『ムースに注意』の標識も出現したりと、なんとも生きた心地のしない長距離ドライブでしたが、なんとかアンカレッジに到着できました。

ホテルに到着したのが1:40頃。ほぼほぼ6時間で完走できました。
朝の7時からの勤務だったので、体力的にはかなりヘトヘトでしたが、睡眠欲よりも食欲の方が上回っていた為、荷物を一旦部屋に置き再び車へ戻りました。
どこかまだ開いている店がないか探しながら走っていると目に飛び込んできたのは『デニーズ』でした(笑)
とにかく早く食べて早く寝たかったので、テイクアウトで注文をして部屋で食べることにしました。(アメリカでは基本的にどのレストランでもメニューの商品を注文してテイクアウトができます。出来たてよりは味は多少落ちますが、チップを払わなくてよいのでおススメです)
注文を終えお手洗いを済ませて戻ると、レジの前にいた男性に

「 I know you. You are Chena guy, right!? I saw you at Activity center!!」
(俺、君のこと知ってるよ。君はチナ温泉にいるだろ?アクティビティセンターで見たよ!!)

といきなり声をかけられました。
話しを聞いてみると、なんとその方は2日前にチナ温泉を訪れていたお客様だったのです!!
カップルで訪れていたお二人は、アンカレッジの南にあるスワードという町に住んでいる方だそうで、温泉を気に入っていただいたようで、また行くよとおっしゃっていました。

日本の約4倍の大きさもあるここアラスカで、こんな偶然が起こるなんて本当に世界は狭いもんなんだなの思いました。

R,I

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