氷の彫刻世界大会


チナ温泉に春がやってきました。雪や池の氷はだんだんと溶けていき、鳥のさえずりは日に日に種類が増えていき、ムースが顔を出すことも多くなりました。

今となっては懐かしい雪と氷で覆われたアラスカを思い出しながら、World Ice Art Championshipsについて振り返りたいと思います。
ATさんのブログのキャンプより前の出来事です。
毎年2月下旬から3月にかけて、氷の彫刻世界大会が開かれます。私たちインターン生もチナ温泉から飛び出して、フェアバンクスのお祭りに行ってまいりました。
この大会はシングルブロックとマルチブロックに分かれており、シングルブロックでは1〜2人で1個の氷のブロック(1.5m×2.4m×0.9m)を使い、マルチブロックでは3〜4人で10個の氷のブロック(1個あたり1.2m×1.8m×1m)を使って彫刻を作り完成度を競い合います。
もちろん、チナ温泉のアイスミュージアムの彫刻の作者のスティーブとヘザー夫妻も作品を出展し、今回も例年と同じく幾つかの部門で名誉ある賞を受賞しました。実力のある彫刻家がチナ温泉ではこんなに身近にいて1年中オープンしているアイスミュージアムでその作品が見れるなんて贅沢だなあと感じます。



おとぎ話の世界。お姫様が王子様の元へ駆け寄るお馴染みの光景です。
夜中の12時を過ぎると魔法が解けてしまう一瞬の輝き。その儚さが、氷の芸術によって見事に表現されています。
この作品はマルチブロック、写実的な作品部門で1位を取りました。(審査はシングルブロック、マルチブロック、それぞれにつき、抽象的な作品、写実的な作品に分けてなされます。)

時計のデザインの充実感や、お姫様のドレスの裾が滑らかにひらめいているところなど、氷から作られていることを忘れてしまうほどのリアリティがあり、技術の高さに圧倒されました。

この作品はシングルブロック、写実的な作品部門で1位を取りました。
その名はなんと『Concentration(集中力)』です。
それは相当の集中力が必要でしょう。まずその棒にその体勢を維持するのだって集中力なしには大怪我をしてしまいます。それだけでもご苦労なのにその上つま先で輪っかを持ち上げています。そして地上にも輪っかが回転して静止しているように見えます。これは間違いなく集中力の塊であり、集中力を存分に表現した芸術です。
この制作者もものすごい集中力の持ち主に間違いありません。
こんな集中力欲しいなあ。この写真、御守り代わりに部屋に飾りたくなります。

これはかなりのスピードが出る滑り台です。ソリで滑る滑り台です。地元の子供達はこれを楽しみにやってくるのですね。大人も滑れます。私たちも挑戦しました。危険だけど、楽しいです。童心にかえってなんども滑りました。


冒頭の写真は、マッシャー(犬ぞり師)になった気分になれる遊びです。アラスカにいるぞーってアピールできます。戌年の年賀状の写真にするといいかもしれないです。



小さい滑り台も結構なスピードが出ます。



氷のお家です。氷のベッドは、夏なら気持ち良さそうです。




氷のテーブルからは足が透けて見えます。そんなことも知らずに上半身だけお行儀よくしていました。


写真を載せたのはこのお祭りのほんの一部です。1日中いても飽きないほどの見どころ満載のWorld Ice Art Championships、来年の開催日はシングルブロック大会が2月27日から、マルチブロック大会が3月4日からで、だいたい3月いっぱいまで入場できます。オススメはマルチブロックの作品が完成してから氷が溶けないうちに行くことです。

アラスカらしい思い出作りにピッタリです。

SY


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