おおゆきこばなし

日本でも、この冬は、あちこちで大雪のニュースが報道されましたね。
ここ、アラスカはフェアバンクスでも、今年は「大雪」です。


大雪だー(積雪40㎝くらい)

日本の豪雪地帯と比べると、40㎝で大雪と呼ぶのも恥ずかしいですが・・・
いえいえ、決してふざけている訳ではございませぬ。
1~2月のフェアバンクスは、極端に乾燥しており、例年、雪はたいして降らないのです。


★U.S. climate data(usclimatedata.com)より引用
フェアバンクス1月の例年平均降雪量
10インチ(約25.4㎝)
vs.
2018年1月の降雪量 
14.12インチ(約35.86㎝)←多い!


「大雪(積雪30㎝越え)」になると、交通機関はマヒするわ、停電するわで、町は混乱します。


極端な乾燥のため、フェアバンクスの雪はサラサラのドライスノーです。
そのため、雪が積もった方が、面白いことに、車はスリップしにくくなります。
実際に、フェアバンクスの冬季レンタカーは、スノータイヤを履いていないものも多いとか。


ところが、積雪が多くなると、スタックする車も出てきます。
フェアバンクス・ノーススター郡も予算が年々減っておりまして、除雪が追い付かないからです。
あと、こちらの人は運転も荒いような・・・。
見境なくバックして簡単に雪にはまり込んだり・・・(*_*;


また、大型車が通ると、ドライスノーを巻き上げてしまい、後続車の視界を塞いでしまうこともしばしば。
事故が誘発されやすくなります。
こうして、交通機関がマヒしてしまうのです。


さらに、「大雪」には慣れていないため、積雪により樹木の枝が折れて電線を断ち切り、よく停電します。
困ったことに、アラスカの一般家庭は、ほとんどすべてオール電化されています。
理由は、都市ガスは極端な低温のせいで凍ってしまうため、電気の方がメンテナンスが楽で、安上がりだから。


そこで停電すると、どうなるか・・・。
「し、しまった、朝おきたら、暖房も止まってるし照明は点かないし、電子レンジも電気コンロも使えない!温かい朝ご飯をたべることも出来ない!あっ、インターネットも無いし、もうすぐスマホの電池も切れる・・・助けも呼べない・・・。」
という危機的状況に陥ることもしばしば。
もう一回、毛布にくるまって寝なおすしかありませんでした(実話)(((+_+)))


その点、チナ温泉では、地熱で暖房やその他の電力をまかなっています。
地下埋設ですから、雪が積もっても安心!!断線しない!!(^^♪


その上、お野菜も地熱を利用した温室で育てています。
レストランでお出しするメニューも、チナ温泉で育てたお野菜を使用しています。
先日、日本からお越しのお客様が、
「ここはいい処ですよね、お野菜が自分で賄えて。日本ではこの冬、台風や大雪のため、葉物野菜なんかえらい高くなっちゃって、手に入らないんですよ」と、おっしゃっていました。


温室内の様子

アラスカでも、葉物野菜は年中高いです。
夏以外では地場産の野菜は収穫できないため、アメリカ本土から運ぶしかなく、運搬費がかかるためです。
運搬に時間がかかるため、たいてい、新鮮ではありません。(+o+)
それでも有るだけマシなほう。
大雪が続くと、スーパーの野菜棚は空っぽ!何てこともしばしば。
でも、チナ温泉レストランでは、新鮮なサニーレタスやトマトが、いつでも召しあがれます。大雪でも大丈夫!



たかだか積雪30~40㎝で大騒ぎするのも、日本の豪雪地帯にお住いの方々からすると笑われそうですが、
そこにはいろいろと、アラスカならではの事情があるということで・・・。
以上、アラスカの「大雪」にまつわる小話でした。


EF

























コメント